覚書②私の言葉とSの声

20212112:25-12:32 貴船神社

すっきりした身体

風がなまあたたかく、どんど焼きのあとの灰がついた空気が煙たい匂いをはっしている

どこかのお家の洗濯物の柔軟剤の匂いが微かに混じる

だれかきた

夫婦の大きな柏手

なぜ息を揃える必要があるの

これからどこにいくの

つばきがゆれる

マグリッドの絵のような葉がない枝がゆれる

大粒の雨が社殿にぽたぽた

みずたま

みずたまの、かぼちゃのみずたまみたい

私は【なになにのようだ】って言葉を探してる

だれのために

これをよむかもしれないだれかのために

だれのために

私のため?

私の中の想像の中の詩人みたいな、カッコつけていた方が体裁が良い人のため?

その人はハットをかぶっていて

すーつをきていて

しろいしゃつで

とらんくをもっていて

マグリッドの円にでてくる紳士のよ、う、な、

人。

無表情で

わらわず

賢そうなことを考えていて

用があるようで用がない

旅をしてるようで旅をしていない、人のため

の、

なになにのようだ、

ようだ

ようだ

ヨーダ

ヨーダ

緑色のおじいちゃん

木が切られている

風は強い

東はどちらだ

椿が揺れている

柄杓が使われたのはいつか

首に風が当たる

気持ち良い

気持ち良い

ここに立っていて変な人ではないかなと心配になる

けれど、変な人だなと思われて困るのはだれだろう

困ったところで私は何も困らないけど恥ずかしい

木が切られている

何百ねんのびできたことはまるで悪かったことのように

ばっさりと

切られている

めんどくさいことを言った人みたいな嫌われ方で切られている

私もだれかにそうおもわれたり

おもったりしたことはないのか

あるだろう

なになにのような、ようだ、そんなように

2 Comments

  1. 言葉が生温く身体化している、不思議。言葉発酵か?
    多分自分の言葉だからなのだろう。
    それゆえ、ダンスのストラクチャーがしっかりしていて、こちらも旅ができる。
    随所に出てくる言葉を錯覚させる手法、言葉のキツツキの音のようなオコツキ、面白い。もっと見たい。
    自分の言葉使用だと、ダンスと言葉が融合できるなんて、初めて知ったかもしれない。
    そういえばNZの作品も融合していた。

  2. 山崎さん
    コメント、ありがとうございます。不安だったので、感想を頂けてとてもとても嬉しいです。

    先程お答えしていたどのように制作したか、自分の備忘録のためにもコメントに、残したいと思います。

    ◆制作した過程
    ・7分神社でたたずみ、その後すぐ車でメモ、3分ほどで書き終える
    ・自宅に戻り、iPhoneのボイスメモに読み方のパターンを変えて読み上げ、録音。それを流しながら何度も踊る。
    ・1つの言葉のみ、動きが決まり、前後はその動きを基準にフェードイン、アウトをかけていくイメージで、インプロで動いてみる。
    ・だけど、自分の声や読み方に踊りが引っ張られてしまい(言葉ではなく音?情感?に引っ張られてしまう)しっくりこない。もっと言葉に集中して動きを作りたくなる。
    ・友人に文章と自分の声で踊っている動画を見せる。
    ・数時間後に友人から私の文章を読み上げてくれたボイスメモが送られて来る。
    ・翌日、山に行き撮影。スピーカーを近くに置いたり、話したり、カメラも私を追ってもらうバージョンも何パターンが撮る。
    ・自分で読んでいるものは声、音として認識していたが、他人が読んでいるので言葉としてイメージできるなぁと感じながらその後も何テイクか撮影。
    ・最後帰る直前、引きで撮った1つを採用した。

    ◆気付いたこと、感じたこと
    ・思ったより時間がかかってしまったが、やらずにはいられず、没頭してしまった。
    ・ムーブメントがジェスチャーになってしまうのでは?と思ったが、そうならなかった。(ジェスチャーにした時、とてもしっくりこなかった)
    ・山崎さんのコメントの【融合】という言葉が気になっている。今回は自分の言葉を他人の声で味わったことがとても新鮮で、融合に近づいたきっかけになったかもしれないと感じている。次回、自分の言葉と声の組み合わせにももう一度取り組んでみようか?と思っています。

    7分佇むワーク、とても気に入っており、1日1回、行っています。
    書き出したものを読む頃には、書いていた自分と別の人になっているような感覚、とても面白いです。

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