春の森より

久々に佇ずむワークをやってみました。

春の森より(2021.3.7)岩下愛

春が溢れている

蕾は芽吹いて

山は白くなり

鳥は頭の上で求愛をしている

遠くに街のゴーという音

このさきに、なにがあるとですか

さくらのときはいいやろうねぇ

屋根を小さな足音が伝う

冬と違い、騒がしい山

誰かが作った、枯れ木のテント

新しい、はじまった、繰り広げられる、前の、景色

うんざりする、あふれる、溢れ出す、生命力

佇んでいる間に、ふっと来る終わり

終わりを考えてばかりの、春

また、帰り道の、駆け降りるような足音が聞こえる


『進んでいるⅢ』から『1/22/24』まで

ワークショップが終わってからも福田さんのインストラクション『進んでいる』 で、踊って撮って見て、を繰り返しています。

タイトルもインストラクションも、『進んでいる』なんだけれど、1作品目と、2作品目、どちらも私にはずっとそこに留まっている感覚があって、(タスクいっぱいの頭でその場で動いている感じ?)それを引きずって作ったのがこちらです。

福田さんインストラクション『進んでいるⅢ』
岩下愛

ずっと同じインストラクションで踊っていますが、明るい時、暗い時、昼、夜、風、人がいるかいないか、この後予定があるかないか、とか、外的な事でだいぶ変わることと、全然変わらないことがあるなぁと感じています。

変わることは表層から出てくる、持ってるやつ、体の十八番、みたいなやつを出したいか、出したくないか、ということ。これは外的な環境にすごく左右されてる気がする…。

変わらないことは、留まっていたい感覚。本当はあんまり動きたくなくて漂ってたい?と言う気持ち。うーん、上手に言葉にできない。


で、作ったばかりの動画を見ていて、

あれ?留まってるって言ったら、これもアクティブに、物理的に留まってるんじゃない?と、思い立ち、作って見たのがこちらです。

1/22/24 岩下愛

毎日定点カメラで1時間位撮影して、80倍速位にして、気が向いたらInstagramに投稿している、『家事なんて踊りながらくらいじゃないとやってられないよねシリーズ』の2日分を重ねて見ました。

家事って、物理的に、アクティブにその場にとどまっているよなぁーーー(しかも毎日。やってることは微妙に違うけど大体同じ)

頭はタスクいっぱいでぐるぐる回転しているけど、座禅組んでる時みたいに瞑想してる感覚というか…その状態で踊ったらどうなるかなぁーと毎日試している動画です。

なんとなく、留まっているけど進んでいる、進んでいるけど留まっている、と言うことに共通点を感じて。

雪の福岡より。

福田さんインストラクション/進んでいる・その2

【進んでいる】その②/岩下愛

昨日も投稿した、福田さんのインストラクション。うーむ…室内じゃなくて、広いところでやってみたいな、と、試してみました。


WSが終わって、書き残したノートや、作品や散文など、読み返しています。

神社で佇んで、書いた言葉、(覚書②の動画の時のもの)【私は「なになにのようだ」って言葉を探してる】と、いうのが、今の私の踊りじゃん〜と、思わずうわぁ、と唸ってしまいました。とても痛い。

このなんだかどうしたらよいかわからないものを持ったり置いたりしながら、しばらく探検したいと思います。

福田さんインストラクション/進んでいる・その1

進んでいる①/岩下愛

今朝、アフリカンダンスの稽古の間にやりたくなってむずむずして撮影。

読んでいるのは娘、向こうの方で聴こえるのはドラマーが叩いているジェンベです。

今朝は誰かの気配が沢山する狭いところでやりたくなって、こんな感じになりましたが、もう少し広い場所で試したいなぁと思っています。

インストラクション:牡丹雪の降る日

からだのまんなかを、じめんにおくり、

じめんを足の裏から、体の隅まで送りましょう。

それは、体の中にいたえんじ色の毛糸を絡め取りながら、

膝、鼠蹊部、お尻と背中、鎖骨、腕の柔らかいところと、後頭部をつたって、

指先と頭のてっぺんからゆっくり出ていきます。

出て行った毛糸が、さらさらと飛んでいきます。

掴めそうなら、それを掴もうと、試してみてください。

あなたに戻りたくて、毛糸はするすると触れてきます。

優しく応えてあげてください。

毛糸はあなたの体の先の方に綻びをみつけて、

少しずつ、解いていきます。

綻びが糸になり、あなたの糸は、あなたの中に

あったえんじ色の毛糸と絡み合っていきます。

やがてそれは、おおきなおおきな手袋になり、

溜池の真ん中にある、

白樺の木をやさしく抱きしめます。

覚書③自分の声と2月3日と踊る

20212320:37-20:44 家の前の交差点

うっかり防犯カメラの前に立ってしまった

悪いことはしていないはずだ

たくさんの家から集まって来るお湯らしき音がシャラシャラしている

カシオペア?オリオン?オリオンか

車の音、それ以外はない。

星が出ていて嬉しい

2月3日

母の誕生日

2月3日

妹の子どもがうまれた、さきほどうまれた

2月3日

祖父が夢に出てきた

いつも通り、座敷に、堂々と、いた

夜の景色を感じても

そのことしか目の前にうかばない

静かであれば、静かであるほど

ウエストリンギア

メディカルハーブ

アカシア

オリーブ

カツラ

背が高い玄関から、

少し遠くなったオリオン座、を、みる

春に近づき、

空気がやわらかく、ぬるりとしている


今日は何か踊りと言葉を残したいな、と思う日だったので、先程の夜の7分の言葉たちで踊ってみました。

今回は自分の声でチャレンジ。2テイク撮ったけれど、1テイク目を使いました。

意識せず撮影しましたが、今日のワークが体に残っているなと、動画を見ながら感じます。止まる、ポーズとポーズの間、物や壁などと関わって自分の形を作る。

今は言葉から動きを産んでいますが、今度は動きから言葉を産むのも試してみたいな、と思っています。(今日、お話しに出ていてなるほど!とおもったのです)

夜は何故か昼より言葉が出てこない。昼はあふれるように言葉が出てくるのに。暗いからか?怖いからか?静かだからか?

覚書②私の言葉とSの声

20212112:25-12:32 貴船神社

すっきりした身体

風がなまあたたかく、どんど焼きのあとの灰がついた空気が煙たい匂いをはっしている

どこかのお家の洗濯物の柔軟剤の匂いが微かに混じる

だれかきた

夫婦の大きな柏手

なぜ息を揃える必要があるの

これからどこにいくの

つばきがゆれる

マグリッドの絵のような葉がない枝がゆれる

大粒の雨が社殿にぽたぽた

みずたま

みずたまの、かぼちゃのみずたまみたい

私は【なになにのようだ】って言葉を探してる

だれのために

これをよむかもしれないだれかのために

だれのために

私のため?

私の中の想像の中の詩人みたいな、カッコつけていた方が体裁が良い人のため?

その人はハットをかぶっていて

すーつをきていて

しろいしゃつで

とらんくをもっていて

マグリッドの円にでてくる紳士のよ、う、な、

人。

無表情で

わらわず

賢そうなことを考えていて

用があるようで用がない

旅をしてるようで旅をしていない、人のため

の、

なになにのようだ、

ようだ

ようだ

ヨーダ

ヨーダ

緑色のおじいちゃん

木が切られている

風は強い

東はどちらだ

椿が揺れている

柄杓が使われたのはいつか

首に風が当たる

気持ち良い

気持ち良い

ここに立っていて変な人ではないかなと心配になる

けれど、変な人だなと思われて困るのはだれだろう

困ったところで私は何も困らないけど恥ずかしい

木が切られている

何百ねんのびできたことはまるで悪かったことのように

ばっさりと

切られている

めんどくさいことを言った人みたいな嫌われ方で切られている

私もだれかにそうおもわれたり

おもったりしたことはないのか

あるだろう

なになにのような、ようだ、そんなように

はじめの覚書

読んだものを、紙に描いてみる。

わからないこと、知らない言葉も、とりあえず描いてみる。

3人は赤、青、黒、にわけて。(3人と言っているけど人ではないのかもしれない)


私の日常には子どもが溢れている。

公園でドッチボールしてたり、砂鉄を永遠と集めていたり、叫びながら坂道を駆け抜けたりしてるとき、

ああ、なんて圧倒的なダンスなんだろう、と思う。

煌めいている身体を心から羨ましく、美しく思う。